シリコンフロアコーティングとはどんなコーティング方法?
フロアコーティングの中で、一般に広く知られているうちのひとつがシリコンを使ったものです。長く使われているコーティング方法ですが、新しいコーティングが出てきた現在でも、引き続き人気があります。どのような理由でみなさんシリコンフロアコーティングを選んでいるのでしょうか。
シリコンフロアコーティングとはどんなコーティング方法?
シリコン塗料を使用したコーティングであり、床上にシリコン樹脂の被膜が施されています。シリコンは、医療現場や食品に触れるような物にも使用される素材です。身近な例でいえばコンタクトレンズにも使われているため、その安全性が伺えますね。シリコンは柔らかい素材なので、こういった点も大きな特徴となり、メリットにも関わってきます。
シリコンフロアコーティングのメリット
それでは、シリコンフロアコーティングの強み・弱みを見ていきましょう。
■グリップ力がある
シリコン素材は柔らかく、フロアに厚みのある被膜を作ってくれます。この柔軟性は、触れる物との密着性を生みます。これが生活する上でどんな役に立つかといえば、床が滑りにくくなるのです。小さいお子さんや高齢の方は、フローリングで滑ってしまった場合、大怪我につながりかねません。また、転ばないよう注意して生活していると、足腰にも負担がかかってしまいますよね。
これはペットも同じで、足の裏の毛が伸びる犬種などはとくに、つるつる滑って関節が弱くなる危険性があります。シリコンフロアコーティングを施した床であれば、靴下やスリッパを履いている足でも、滑り止めがしっかり働きます。お家の安全・安心を考えて選ぶ人も多いです。とくに階段・その周辺に施工しておくとよいですよ。
■安く施工できる
他のコーティング、たとえばUVコーティングやガラスコーティングと比較すると、安く施工できます。シリコンはいろいろな場面で使われているため流通量も多く、素材としても安価なほうだからです。施工に特別な機械も用いません。業者さんにとっても使いやすい塗料なので、施工代も上がっていかないというわけです。
シリコンよりも安いコーティングは存在しますが、5~10年という耐用年数を鑑みると、コストパフォーマンスがよいコーティングとなります。予算に制限がある方、広範囲でコーティングを考えている方にもおすすめできます。
■ゴージャスな光沢
シリコンの膜が作り出すコーティングは、豊かな光沢を持っています。高級感や清潔感をお部屋に出していきたい場合、非常によい効果をもたらしてくれます。とくに、ダークな色のフローリングだと、鏡のようにきれいに反射し、さらにラグジュアリーな雰囲気を生み出せますよ。
■木製フローリングに優しい
シリコンコーティングはしっかりとした厚みがあるため、薬品や熱などからももとの床を守ってくれます。シリコンの分子は水の分子よりも小さいため、耐水にも優れています。水が飛びやすいキッチンの床など、こういったコーティングがされていれば便利ですよね。
お子さんが何かをこぼしてしまったり、ペットがトイレをしてしまったりしても、簡単に拭き掃除ができて大変便利です。さらに、シリコンの分子は空気の分子よりは大きいため、木製フローリングが呼吸をできます。フローリングに湿気がこもることも防げるため、床にも優しいコーティングなのです。
シリコンフロアコーティングのデメリット
デメリットも確認し、比較しましょう。
■硬度に欠ける
他のフロアコーティングと比較すると、シリコンは特出して硬いというわけではありません。そのため摩擦に弱く、コーティングがすり減っていってしまいます。
さらに、シリコンコーティングは分厚く、かつ剥離剤にも強い素材のため、補修がしづらいという弱みがあります。あまり消耗させないように使うには、やわらかい材質のスリッパを利用するなど、普段の生活から気を遣う必要があります。
■光沢は避けられない
メリットのところで紹介した光沢ですが、ツヤを少々抑えることはできても、ツヤがまったくない仕様にはできません。光沢を出したくない、部屋の雰囲気に合わないという人にはおすすめできないコーティングです。
また、光沢があると汚れやキズが目立つというデメリットもあります。とくに、前述したとおり暗めの色のフローリングだと、なおのことツヤが際立ちます。不安な方は、サンプルなどよく見てから依頼を決めましょう。
■施工に時間がかかる
シリコンコーティングは、施工後に自然乾燥させる必要があります。完了までには2日程かかりますので、入居前に行うのであれば余裕を持って依頼する必要があります。
また、すでに生活を始めている部屋に施工する場合だと、家具を全部どかして、その部屋に2日程立ち入らないようにしなければなりません。生活する上で少々不便なことは、覚悟しておいてください。
他のコーティング方法と比較して、よいところも、少々劣っているところもありますが、価格や効果のバランスが取れているという点で人気が続いているコーティングです。施工後の剥離ができないものですから、長い目でよくよく考えてから決めるようにしてください。