フロアコーティングとフローリングワックスの違いについて解説!
フロアコーティングとフローリングワックスについて、「どちらを使っても同じだろう」というイメージを持っている方は少なくないでしょう。しかし、実は耐久性や耐水性、施工にかかる費用などは大きく異なります。そこで今回は、フロアコーティングとフローリングワックス、それぞれの特徴と違いについて解説していきます。
フロアコーティングの特徴
フロアコーティング、またはフロアコートとは、フローリング専用の塗料を使用して、塗膜を形成することによりフローリング材をさまざまな負担・ダメージから守る、その塗膜を指し示します。似たような床用塗装物にワックスやマニキュアがありますが、これらは水性のため耐水性や耐久性、耐薬品性については弱く、フローリングの美観や乾燥予防を目的として施工されるケースがほとんどです。
また、ワックスなどの効果を保つためには定期的に塗り直しが必要です。目安として、1年につき2~3回程度です。フロアコーティングはこれらの水性塗装物とは異なり、主に油性成分のため、耐水性や長期耐久性、耐薬品効果などが高く、一度施工するだけでフローリングを長期に渡ってダメージから守ってくれます。
フローリングワックスの特徴
一般的なフローリングに使うワックスは「樹脂ワックス」です。樹脂成分をフローリングに塗ることで、フローリングの上に膜を作り、それによりフローリングを水や汚れから守ります。しかし、フロアコーティングと比べるとその耐水性や耐久性は劣りがちです。樹脂の透明感が光沢になり美しい仕上がりとなります。
また、自宅のフローリングの材質に応じてワックスの種類を選ぶ必要があり、知識が全くない方には少し難易度が高いかもしれません。
フロアコーティングとフローリングワックスの違い
ここからはフロアコーティングとフローリングワックス、両者の違いについてさらに具体的に見ていきましょう。
■お手入れか塗装か
フローリングワックスは掃除や艶出しという「お手入れの一環」であることに対して、フロアコーティングは「塗装や内装工事の一種」になります。ワックスはお手入れということもあり、定期的に行なうものであることに対して、フロアコーティングは基本的に一度きりの施工です。
以後、メンテナンスを行うことは、特別な補修を除いてはないため、費用や手間が一切かからない点が魅力といえるでしょう。
■皮膜の硬さ
皮膜が硬いほど床を傷から守る能力が高いとされており、その点ワックスよりもフロアコーティングのほうが、皮膜が硬く、床材を傷つけにくいです。そのためビルや店舗など、多くの人が出入りをする場所や、床をできるだけ美しい状態で保っておきたい部分はフロアコーティングに適しているといえます。
■耐久年数
製品によって耐久年数は異なりますが、ワックスはフロアコーティングに比べて耐久性が低く、1年あたり2~3回程度のペースでかけ直さなければ効果を維持することができません。
一方でフロアコーティングは、成分によって違いはあるものの、通常短くても2年以上は耐久性を保つことができ、長いものでは30年近い耐久年数を誇る製品もあるほどです。そのため、1回の施行にかかる費用は、一般的にフロアコーティングのほうが高額になります。ただし、数年単位の長期的な視点で見ると、結果的にワックスよりも安くなる場合もあるので、費用を比較する際は長い目で考えることをおすすめします。
■耐水性
製品によって耐水性は異なりますが、ワックスは耐水性が低く、水などをこぼすとシミができることが多いほか、水で濡らしたぞうきんやモップを使って掃除するとワックスが剥がれてしまいます。
一方、フロアコーティングは耐水性が高いため、水などのシミを作りにくく、水を使って掃除することも可能です。
■施工性
数か月に一度かけ直すことが前提となっているワックスは、個人で簡単に塗りなおすことができる点がメリットです。特別な道具や機械がなくても問題なく塗りなおせるでしょう。なた、剥がれやすいというワックスのデメリットも、塗りなおす際には剥がしやすさにつながります。ワックスはフロアコーティングに比べると皮膜が薄く、耐久性は強くはないものの、一方で塗りムラが出づらいという特徴もあります。
対してフロアコーティングは、皮膜が硬く剥がしづらいため、施工自体は一度きりでも一般的に問題ありません。しかし、万が一コーティングにトラブルが起こり、再度施工が必要になった場合、一度目のコーティング剤の剥離作業時に床材を傷つけてしまうリスクがともなう点には注意しましょう。
今回はフロアコーティングとフローリングワックス、それぞれの特徴や違いについて解説しました。どちらにもメリットとデメリットがあるため、双方を理解したうえで自分に合ったほうを選ぶのが理想です。金額面では、フロアコーティングのほうが耐久性は高いぶん高額になりがちですが、施工は基本的に一度きりなので、中長期的にみると安く済むこともあります。金額を考える際は、数年の間でワックス使用にかかる金額をシミュレーションして、フロアコーティングの費用と比較するのがおすすめです。